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旬の食材には魅力がいっぱい。さらに日本料理は季節ごとの自然のうつろいや、ときには歴史や文学とも深くかかわっています。そんな背景のお話や、お料理の特徴を「Kitchen Witch メモ」としてレシピの最後に書き添えています。 この「メモ」を楽しみにしていらっしゃる方もあるとか。 私にとっては〈作り方〉部分に書ききれなかった思いをちょこっと記せる愛着のあるコーナーです。ここに数例をご紹介します。 |
| Kitchen Witch メモ(例示)一覧 | ||
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| 茄子の鴫焼き風 | ||
| いちじくの利久あん | 萩ごはん | 落ち鮎(子持ち鮎)の煮浸し |
| 白身魚の丹波蒸し 銀あん | 巨峰の秋霖あえ | 長芋そうめんの吸い酢 |
| 冬瓜ととり挽き肉の炒り煮 | 西瓜と甘酒のデザート | 鮑の薄衣揚げ |
| 蓮ずし | 山芋 落とし揚げ | ゆでだこで作るたこめし |
| 焼きなすのお味噌汁 | 笹身とサクサク長芋の磯部揚げ | 冷製 茶わん蒸し |
| 鯵の銀皮造り | 緑 蔭 | 牡蠣の西京漬け |
茄子の鴫焼き風(2013・秋T)
鴫(しぎ)は 秋に日本に立ち寄り 干潟や田や川などの水辺で休息する 渡り鳥です。鎌倉時代の僧西行が詠んだ「心なき 身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ」(新古今和歌集)からも しみじみとした 秋の気配が感じられます。 鴫焼きは なすの形が鴫の姿に似ているから とも なすの中をくりぬいて 鴫の肉を入れた鴫壺焼(武家調味故実:1535年)という料理が転じたもの ともいわれますが 油焼きしたなすに練り味噌をぬったものを 今では鴫焼きといいます。 なすと油と味噌の相性はバツグン。 今回は 最近復活した江戸下町の寺島なすと 大島の島とうがらし味噌の組み合わせです。 |
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いちじくの利久あん(2013・秋T) 江戸時代に日本に伝わったいちじくは 花が咲かないのに実が熟すようにみえるので 無花果と書きますが 実は赤い粒々が花です。 皮が手でするりとむけるくらい熟したものに 胡麻あんをかけて いただきましょう。 ほんのりとした甘さに 胡麻の風味がよく合います。 胡麻を使った料理には 利久焼き、利久揚げ、利久煮というように 利久の名をつけることが多いです。 いちじくは 他にも風呂吹きや天ぷらにと 日本料理に幅広く使われています。 |
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萩ごはん(2013・秋T) 萩は日本の秋を代表する花。 山上憶良が秋の野の花の代表として七種を数えたとき 筆頭に挙げたのは萩でした。 『秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花(万葉集・巻八 1537)』 『萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)』 〈尾花(ススキのこと)、朝貌の花(朝顔、木槿(むくげ)、桔梗、昼顔など諸説あるが、桔梗とする説が最も有力)〉 秋の野の花は 総じてどこかわびしく可憐で 控えめなところが 日本人の嗜好に合うようです。 |
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落ち鮎(子持ち鮎)の煮浸し(2013・秋T) 名残の鮎の滋味を味わう 9〜10月になると あゆは産卵のために 川の下流に向かいます。 これを「落ちあゆ」といいます。 雌は卵をたくわえるので 「子持ちあゆ」になります。 この時季のあゆは 婚姻色で体が錆色になり 艶はなくなり 皮は固く かおりもやや失われますが その一方で 豊かなうまみが備わって 滋味深くなります。 春から初夏にかけての「稚あゆ」 梅雨のころの「若あゆ」 夏の生き生きした「成魚」 秋の産卵前の「落ちあゆ」 それぞれの時期に応じた風味があります。 あゆは一年魚。 産卵後に一生を終えます。 |
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白身魚の丹波蒸し 銀あん(2013・秋T) 白身魚の蒸しものは 栄養のバランスがよく 低カロリーなので とても健康的。 お年寄りにも喜ばれます。 お魚を蒸すときは 強火でパーッと蒸すのがコツ。 ふっくら仕上がります。 弱火でゆっくり蒸すと うまみの汁が流れ出てしまうので 注意しましょう。 |
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巨峰の秋霖あえ(2013・秋T) みぞれ状の梨と ワインゼリーのかかったぶどうが まるで 秋霖にぬれているかのような風情のデザートです。 ”清らかな月の光を吸って育つ”といわれるぶどうの旬は9月。 ちょうどこのころ しとしとと音もなく降り続く 少しさみしい雨のことを秋霖といいます。 |
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長芋そうめんの吸い酢(2013・夏T) 暑い日の前菜や 揚げもの焼きもののあとのお口直しに よく冷やしてめしあがれ。 冷たさと のどごしで 涼感を味わってください。 長芋には 滋養強壮効果もあり 暑さに弱った体に元気が蘇るように思えます。 |
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冬瓜ととり挽き肉の炒り煮(2013・夏T) 冬瓜の旬は7月。 完熟すると白い粉がふいて 畑が冬のようにみえるので 「冬の瓜」という説もあります。 96%が水分で 味が淡白なので とり・えび・かになどと合わせて 旨みや養分を補います。 熱を加えると透明になるので 独特の清涼感があり 皮近くの美しい緑色には夏の涼味が感じられ 実際に体を冷やす作用もあり 暑気払いにピッタリです。 |
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西瓜と甘酒のデザート(2013・夏T) 夏こそ 甘酒を! 「甘酒」は夏の季語です。 甘酒には 麹菌が分泌する酵素によって分解されたブドウ糖の他に ビタミンや必須アミノ酸が 豊富に含まれています。 江戸時代には 夏バテ対策で夏に売られていました。 「酒」の名はつきますが アルコール飲料ではありません。 ※甘酒には2通りあり 酒粕を使うほうの甘酒には アルコールが含まれます。 |
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鮑の薄衣揚げ(2013・夏T) 貝の王様といわれる鮑は きれいな外海の岩礁で 海草を食べて育ちます。 そのため 上品な磯の香りがし 身のおいしさも抜群。 そんな 生の鮑を揚げるなんてもったいない・・・ という声が聞こえそうですが 固くて敬遠されがちな身が 揚げると一瞬にしてフワッと柔らかく やさしい食感になるので いただきやすいうえ 旨みも引き立ち 調理時間も短いので ぜひ おすすめしたい一品です。 |
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蓮ずし(2013・夏T)
夏の早朝 うす桃色の花弁を開く蓮の花は 神秘的で 極楽に咲く花。お釈迦様の花といわれています。 このころ 蓮の池の底の栄養豊かな泥の中では 蓮根が芽を伸ばしています。 蓮ずしは このみずみずしい新蓮根のシャキシャキとした歯ざわりと 白く涼しげな美しさを楽しむおすしです。 |
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山芋 落とし揚げ(2013・夏T)
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ゆでだこで作るたこめし(2012・夏U)
真だこ:夏においしくなるものとして「麦わら蛸に祭り鱧」といわれるように 祇園祭りのころの鱧と麦の実るころの蛸が挙げられています。 これは「地つきタコ」のことで 他に「渡りのタコ」があり 渡りのタコの旬は冬です。 吸盤が並んでいるのがメス 不揃いがオス。 兵庫県明石で水揚げされるタコは有名。 関東の久里浜や三崎 佐島のタコも評判が高い。 外国からの輸入ものも多いです。
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焼きなすのお味噌汁(2012・夏U)
なすの焼けた香りと やわらかい舌ざわりが 夏らしさを感じさせるお味噌汁です。 こういう一見なんでもない 旬のお料理を 大事にしたいですネ。
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笹身とサクサク長芋の磯部揚げ(2012・夏U)
海苔を使ったお料理を 磯部(いそべ)○○といいます。 磯部は磯のほとりの意味です。 ささみの水分で湿っても 揚げるとピンと張るので大丈夫。 ささみの柔らかさと 長芋のサクサクした歯応えが絶妙です。
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冷製 茶わん蒸し(2012・夏U)
透明なかけつゆが涼感を誘う 夏向きの茶碗蒸しです。 ひんやりとした舌ざわり なめらかなのど越し 青柚子の香り・・・が 蒸し暑さを わすれさせてくれます。
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鯵の銀皮造り(2012・夏U)
真鯵は 1年中出回っていますが 脂がのっておいしいのは 初夏〜夏にかけて。 三杯酢におろしきゅうりを加えた緑酢は さっぱりと 目にも涼しげで 鯵の脂けとよく合います。
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| 緑蔭(2012・春U) 緑蔭は 夏の季語。 同じ夏木立の蔭でも うっそうとした 木下闇(このしたやみ)や暗茂(くれしげ)とは違って 明るい初夏の日射しの中の木立の蔭を表すことばで 語感に明るさがあります。 木漏れ日がゆれて風が渡る光景を 抹茶の色とレモンのさわやかな風味で感じていただければと思います。 |
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| 牡蠣の西京漬け(2011・11) 「海のミルク」ともいわれる牡蠣は 旨みと甘みのある 20数種のアミノ酸と亜鉛や銅などの無機質 さらに多種類のビタミン類など 豊富な成分で構成されています。 Rのつかない月には食べてはいけないといわれると同様に 日本では「その土地での花見がすぎたら食べてはいけないよ」といいます。 むき身を選ぶときは 一粒一粒がむっちりと膨らみ 象牙色でつやのあるものを。 |
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